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ワキガ・多汗症の治療として、ミラドライ(miraDry) を選ぶ理由
更新日:2015.02.17
記事カテゴリー:院長の症例解説
2月に入って少しだけ春が近づいてくるとワキの汗やにおいで悩まれてクリニックでの治療を決意される方も多いかと思います。
その時にどの治療法を選ぶべきか悩まれると思います。
私は、ワキガ・多汗症の治療には15年くらい前からずっと関わってきて多数の手術・治療を担当させていただきました。
その経験からワキガ・多汗症の方の治療を選ぶ参考になればと今日はわきが・多汗症の治療について書きます。
その経験値から結論としてわきが、多汗症の治療はどちらの症状も
ミラドライ(miraDry)がいいです。
その理由は。。。
■ミラドライが登場する前までは、
においの方⇒ 切開手術(剪除法など)
汗 ⇒ ボトックス注射
という治療方針で実際にやってきました。
この方針のポイントとしては、多汗症の方に手術をむやみにおすすめしないということです。
その理由は、思い切ってリスクを負って手術をされたとしてもわきの汗には効果を出しにくいからです。
ワキの汗は、エクリン汗腺から出るのものの場合、胸椎傍にある交感神経が活発なためにワキ汗が人より多く出てしまっているという特徴があります。
皮膚を切開反転して皮膚の裏から削る手術の場合は、皮膚の表面近くにあるエクリン汗腺を完全に取ろうとすると、かなり薄くまでスライスしないといけないので結果として、副作用(合併症)が強くなるというリスクがあります。
仮に効果を出そうと少し無理して手術をしたとしてもエクリン汗腺は4分の1くらいは残ります。
エクリン汗腺は潜在的に2~3倍は働く能力があるので、剪除法の手術後でも交感神経から汗を出すような指令がくると残りの4分の1のエクリン汗腺が、2~3倍汗を出してしまうのです。
残ったエクリン汗腺の数
4分の1×2~3倍すると
手術後の汗の量は、従来の汗の量の4分の2~4分の3という結果になります。
つまり手術後の理論上の汗の減る量は よくて半分、悪くて4分の1くらいか減りません。
最も効果があると言われている剪除法での効果です。
なのに、わきがも多汗症も手術をすれば完治するという概念があるので、そのあたりはドクター側がよく説明しなければいけません。
つまりは、多汗症の方は切開手術(剪除法)をしてはいけません。(汗の減少効果は期待せず、においのためだけにする場合はいいです。)
半年ごとに注射するという手間とお金がかかってしまいますが、多汗症の方は、剪除法をするよりもボトックス注射の方がはるかに満足度が高いです。
一方で、においのみが気になる方は
ワキのシワに沿って2~3㎝くらいの切開でにおいのもとのアポクリン汗腺を取り除く方法が効果的なので剪除法の手術をしておりました。傷跡も1年くらいすると目立たないくらいにはなります。その他にも選択肢としては、超音波吸引法など5mmくらいの切開で治療する方法も色々ありますが、切開して実際にアポクリンの残存を目視で確認できる剪除法は効果の面で優れているので、ミラドライが登場するまでは、剪除法がにおいを完全するには最善と考えておりました。
ただしどうしても切開した傷跡の治り具合や、まれな合併症(腕のしびれ、皮膚の一部壊死、皮下膿瘍)、術後の生活制限(腕を4~5日上げられない、包帯固定、入浴制限)、肝心のにおいの効果もそれでも個人差があるので、剪除法が完璧というわけではなかったので、くわしくご説明した上で手術するかどうかを検討していただいておりました。
この二つのジレンマを解決してくれるのが
ミラドライ(miraDry)なのです。
この医療機器はなんと!
切開せずに表面からのアプローチで電子レンジのごとく熱でエクリン汗腺を破壊します。
多汗症でアメリカのFDAの認可を取得してますから、お墨付きです。
そして同時にその下層にあるワキガのにおいのもとのアポクリン汗腺まで加熱処理してくれるんです。
剪除法にある内出血、腕を動かせないなどの制限もありませんし、ガーゼもテープもいらず、入浴もできて、
ミラドライのダウンタイムといえば2,3日のワキの腫れくらいなので術後の経過は雲泥の差です。
それでいて剪除法では汗にもにおいにも効果があるので、
ワキの治療は、ミラドライだけでもいい気すらします。
ただし効果には個人差があるので、心配な方は2回法をおすすめしておりますが、
症状との兼ね合いになりますので、そのあたりはご相談していただければと思います。
手術写真↓
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